【東京都写真美術館・虫展】虫と人間が入れ替わる、不思議な世界

東京都写真美術館 (目黒区恵比寿) で開催中の「虫展」(2026年3月21日〜5月24日) に行ってきました!

小さな虫たちが、何百倍もの大きさで鮮明に再現されたマイクロプレゼンス写真の写真展です。

ホンモノの虫の細部を30〜100ほどに分けて撮影し、ピントが合っている部分を写真編集ソフトで合成して、虫一体分の高解像度写真を作り上げる、マイクロプレゼンス。

触覚や毛、膜など細部まで惜しげもなく映し出された精巧で巨大な虫の姿は、圧倒的。人間の方が虫になったような錯覚に陥ってしまう。

「答えはぜんぶ、虫にある」「よーく見る」「自然は人間がつくりだしたものではない」などなど、、

展示室には、不思議な世界を案内する道しるべのように、養老孟司さんの言葉が順々に掲示されています。

虫とは、人間とは、自然とは、いったいなんなんだ?

巨大な虫たちに囲まれて、いろんな問いが浮かんでしまう。

不思議な、不思議な写真展。

坂や丘のある町 walk along

記事執筆 & 写真撮影 青山田あかり

神奈川県 横浜市在住。写真ブログ「坂や丘のある町 walk along」に、気楽な記事を毎週投稿しています。

虫展

長年の虫友達、解剖学者で虫好きの養老孟司さんと、情報通信研究者でマイクロプレゼンス作家の小檜山賢二さんの二人展です。

2024年に大分県立美術館で開催され反響を呼んだ写真展をベースに、デザイナー岡崎智弘さんが加わってバージョンアップ。東京では、東京都写真美術館で初開催。

展示作品全ての写真撮影OK。撮った写真は自由に使えます。

それでは、さっそく会場で撮影した虫の巨大写真をいくつかご紹介。

※絵じゃなくて写真ですから、お間違いなく!

ハリネズミトゲハムシ

まさに、ハリネズミのようにトゲがはえているハムシ。実物は体長3ミリだって!

とっても小さい虫だけど、マイクロプレゼンス写真で巨大化すれば、こんなに複雑なデザイン。

真正面からにらまれると、思わず一歩引いてしまう

バイオリンムシ

こちらも名前の由来が一目瞭然。ウチワムシ (団扇虫)とも言うらしい。実物の体長は10センチほど。

カタチが本当に面白い。自然のデザインはすごい

ハンミョウ

林や川原のほか、町中の公園などにも生息する身近な昆虫で、体長約2センチ。

どこかで見たことあるかもだけど、こんなに美しかったとは。

足の毛の一本一本まで写っている

他にも驚きの虫写真の数々や、遠景からズームして虫を大きく映し出す動画など、多数の作品が展示されるとともに、養老孟司さんの書斎や虫取りの様子も紹介されていて、虫と虫を愛する人の関わりにホッとする場面も。

小さな虫の、とてつもない世界観

体長数ミリ〜数センチの虫に、こんなに精緻な造形やデザイン、多種多様な色が備わっているとは。

カメラや写真技術の進歩がなければ、決して見えなかったミクロの世界が、ここまでクッキリと見えた時、虫と人間はクルッと入れ替わって、「お前はどうなんだ」と迫ってくるようでした。

「『発見』した自分は、もう、それまでの自分とは変わっているのです」「希望とは自分が変わること」

出口付近に書かれた、養老孟司さんの言葉。

小さな虫の、とてつもない世界観に自分の中の何かが強く動かされた写真展。

スゴかった!

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