6月のフォトギャラリー公開!今月のテーマは「ガブリちゃん」

中川李枝子・作 中川宗弥・絵 福音館書店

フォトギャラリーでは、毎月テーマを決めて撮影した写真を3枚公開しています。

テーマは私が通う写真学校の宿題として出されたもの。授業は月に一度。生徒は1ヶ月かけてテーマに沿った3枚の写真を撮影します。

何かを伝えられる写真。今しかない一瞬を切り取った写真。見てくれた人がポジティブな気持ちになれる写真。そんな写真を撮影したい。

写真学校の様子とともに、撮り下ろし写真をご紹介します!

写真でアートをTTP (徹底的にパクる)!

今月の宿題は、「TTP」。写真以外のアート作品を「徹底的にパクる」、つまり写真でアートを最大限表現してみよう!という意欲的なお題でした。

授業では、先生が葛飾北斎の浮世絵に影響を受けたゴッホの例を紹介。

北斎の力強い構図や覆い被さるような波の迫力が、ゴッホの絵では左側から渦を巻く星雲に形を変えて再現されています。ゴッホは北斎から影響を受けながらも星空の表現を自分のものにしている。

私たちも、自分の好きなアート作品を徹底的に写真的要素に置き換えてパクってみよう!という宿題でした。

1枚目は、「今日から3才」

私がテーマに選んだアート作品は「ガブリちゃん」。1971年に初版が発行された絵本です。ずっと絶版になっていましたが、2013年、福音館書店創立60周年記念に限定版で復刊されました。

著作権があるので、絵本の中に描かれたきれいなクレヨン画をここに掲載することができなくて残念。横浜市の図書館の絵本コーナーにはガブリちゃんがたくさんストックされていました。ぜひお近くの図書館で実物を手に取ってみてください。

3才の「たねこ」と、熊のぬいぐるみの「くまた」、公園のそらまめ池に浮かぶ小さな島の一軒家に住んでいる、がちょうの「ガブリちゃん」の3人が、遊んだりいろんな経験をする様子が「はる・なつ・あき・ふゆ」という四季を通じて描かれているこの絵本。

私が5才ぐらいの時、母に買ってもらってから今に至るまで「ガブリちゃん」はずっと私の宝物。

子供の頃の私は、なかなか自分をコントロールできず、周囲から「わがまま」「自分勝手」とよく言われていたんですよね〜。今も性格はあまり変わっていませんが。

でも、この本に登場するガブリちゃんのマイペースぶりは半端ない。突然たねこの家に「お泊まりする」とやってきて、夜中にお母さんが恋しくて勝手に帰ってしまったり。たねこのみかんを7つも食べて、真っ白な羽がみかんのような黄色になってしまって大泣きしたり。

本当に自由なガブリちゃん。「わがまま」でも「自分勝手」でもいいんだ、と教えてくれました。

そんな「ガブリちゃん」の物語は、たねこが3才になった誕生日の朝からはじまります。「あたし、きょうから三さいよ」と、指を3本立てて、家じゅう飛んで回るたねこ。そのシーンを再現してみました。自撮り(私の手)です。

先生は、「絵本をテーマに選んだのはとてもよかったですね。手を影で表現しようというアイディアもいい」

「ただ、誕生日の朝にしては、ちょっと雰囲気が夜っぽいんだよね。色温度をもう少し調整して朝の透明感が出ればもっとよかったね」

実はこの写真は、暗い廊下の壁に照明を当てて影を作って撮ったんです。色々調整した結果のベストがコレ。しかし、先生に言われて気づきましたが、普通に朝の自然光で撮ればよかったのかも。。。ストロボ買ってから、ついつい照明で撮影したくなっちゃって、かえって損してる気がしました。。

2枚目は、「あたしが一番好きなもの」

風邪をひいて寝込むガブリちゃんに、たねこが「かわいそうなガブリちゃん・・・。なにがほしい?」と聞くと、ガブリちゃんは「ホットケーキ」と即答。「うれしい。あたしがいちばんすきなもの」と言ってあっという間にたいらげてしまいます。

この絵本の影響か、私も子供の頃からホットケーキが大好き。

この写真は、機材をすべてセッティングしてからホットケーキを焼いて、バターがとけるまでの間に連写した一枚です。もちろん、撮影終了とともに、私もあっという間にたいらげてしまいました。

先生は、「食べ物はなんといってもおいしそうに撮るのが一番。このホットケーキは、においや味まで想像できるような、おいしさが撮れていますね」「ちょっとTTPからは離れるけど、例えば食べている人の目線になって、もっと上から撮ったら尚おいしそうだったかも」「写真としてはポツンと寂しい感じもあるから、ナイフやフォークも一緒に置いてもよかったかもね」

絵本の挿絵は、まさにこんな感じなんですよ!水平のアングルで、ナイフもフォークもないし。

う〜ん。TTP(徹底的にパクる)だけじゃ、ダメなの。。。先生。。

3枚目は、「ガブリちゃんのお家」

これは、5月に大船フラワーセンターのバラ園で撮影しました。偶然この風景に出会って、「ガブリちゃんの家にそっくり」と思って撮りました。

ガブリちゃん

実はこの時、バラ園はたくさんの人であふれかえっていたんです。人通りが途絶える一瞬を、30分ぐらい待って撮りました。

先生は、「この場所を見つけられたのが勝利。大好きな被写体への理解があってこそ、出会えた風景ですね」

「あとは細かいところにどこまでこだわるかで、完成度が変わってきます。手前の道路は、例えば黄色い紙をレンズの前に置けば、前ボケで消せたし、奥のプランターも編集で消せたかもしれないね」と。

大好きなガブリちゃんの世界を写真で表現できた今回の宿題。今までで一番楽しかったかも。

久しぶりのガブリちゃんとの再会も嬉しかった。

では、また来月!

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