札幌駅から徒歩10分の植物園で秋の森を自由自在に歩く。水と緑と学びの場所、北海道大学植物園

初雪直前の札幌を旅して来ました。
旅の目的のひとつが、札幌駅から徒歩10分の植物園・北海道大学植物園。
札幌の街中に13.3haもの広大な敷地を有し、開発前の札幌の原風景が感じられる自然の森がゆったりと広がります。
緑の芝生を眺めながらひと息つくと、木々の間をリスが走り、鳥の声が聞こえてくる。
園内には豊かな水辺も点在。水面に浮かんだ落ち葉をかき分けて水鳥が泳ぎ、趣のある橋が池と池を繋いでいます。
敷地内には、重要文化財に指定されている博物館や、アイヌなど北海道の先住民族の生活文化を紹介する資料館も。
降り注ぐ晩秋の光の中を自由自在に歩いて、美しい風景にたくさん出会いました!

記事執筆 & 写真撮影 青山田あかり
神奈川県 横浜市在住。写真ブログ「坂や丘のある町 walk along」に、気楽な記事を毎週投稿しています。
北海道大学植物園のプロフィール
木漏れ陽が射す明るい森
入り口で旅の荷物をコインロッカーに預け(後で100円が戻ってくる)、まずはバラ園を目指そうと、向かって左側の外回りルートを進みます。
すると、うわ〜。
木々の葉に木洩れ陽が差し込む明るい森が目の前に。

緑の芝生を分けて続く小道には、時々リスたちが走り出て来ます。

刈り込まれた洋芝は、ケンタッキーブルーグラス。常緑で雪の下でも緑を保ち、雪解けと同時に緑の芝が現れるんだそう。

晩秋の紅葉が鮮やか
この日の札幌の最高気温は19度。しかし天気予報によると、札幌には翌週初雪予想が出ていました。
最後の輝きを謳歌するように、園内は晩秋の紅葉が目にも鮮やか。

見上げれば、一面黄金色の葉っぱ。

細い枝に、びっしりと色づいた赤い実。

大雪山系トムラウシ山の8号目を模したという高山植物園や、北米大陸の野生植物約150種類が栽培されているカナディアンロックガーデンを散策しながら、バラ園へ向かいます。
バラ園も冬支度
バラ園に足を踏み入れたら、かすかに甘く、爽やかな香りに包まれました。秋バラは春バラに比べて、香りが強くて深い色合い。
盛りを過ぎた秋のバラ園は、のんびり日向ぼっこしながら、冬を迎える準備をしているみたい。


秋の草花が満開
一方この時期、植物園ではキク科の小さな草花たちが群生して満開に。足元でニコニコと咲いている可憐な姿を見つけました。




ヨウシュヤマゴボウ。秋らしい色の実だけど、毒があります。


水辺と橋
この辺りは、かつてアイヌ語で“メム”と呼ばれる泉が湧き出る肥沃な場所だったと言います。
植物園にもいくつか池があり、散策の途中で水辺の景色に出会うことができます。池には木道が敷設された湿性園もあり、ミズバショウなどの湿性植物が栽培されています。

静かな水のほとりに水鳥が。

趣のある橋が池と池を繋いでいます。


広〜い園内は、ゆっくり歩けば一周1時間半ぐらい。

学びの施設が点在
植物園のもうひとつの見所が、点在する学びの施設。
こちらは、明治15年(1882年)に建設された博物館本館。建物は日本最古の博物館建築のひとつとして、国の重要文化財に指定されています。
ここには、ヒグマやエゾシカなど北海道に生息する動物や、すでに絶滅してしまったエゾオオカミやニホンカワウソの剥製が展示されています。
大きなヒグマの剥製は、体格の大きさや鋭い牙・爪を間近に見ることができて、とてもリアル。どうしたらクマと人間が現代で共生できるのか、考えさせられます。

博物館の東側には、北方民族資料室が。
北海道の先住民族、アイヌ、ウイルタなどの生活・文化に関連した資料を展示している施設です。アイヌの集落でクマ送り(イヨマンテ)を行う映像(昭和10年・1935年撮影)が、とても興味深かった。

館内に置かれた感想ノートには、インバウンドの方の感想もありました。アイヌをテーマにした漫画「ゴールデンカムイ」の影響もあるのかな。
他にも、植物園の創始者で初代園長である宮部博士の遺品を展示している「宮部金吾記念館」もあり、開拓の歴史の一端を学ぶことができます。
冬に向かう植物園
植物園は、今年(2026年)は11月3日まで。11月4日からは冬季閉園となります。温室だけは冬季でも見学できたみたいだけど、現在は老朽化のため公開休止中。
秋の最後の光が薄れて夕方の風を感じながら、名残惜しい気持ちで森の小道を歩いて正門へ戻る途中、
冬になって門が閉ざされ、雪が降って、本当の静寂がこの広い敷地に訪れる。。
見ることはできない冬の植物園をありありと想像してしまう。
今は明るくて暖かくても、もうすぐ冬がやって来るんだなあ。

奇跡のような秋の晴天に恵まれて、素晴らしい時間を過ごすことができた北海道大学植物園。
そうだ。今度は春にまた来よう。












