東京・本所防災館で体験ツァー。都内で唯一、暴風雨&都市型水害が体験できる!

秋晴れの休日、東京・墨田区の本所防災館で自然災害体験ツァー(暴風雨・都市型水害・煙・地震)に参加しました!
隅田川と荒川に挟まれた海抜ゼロメートル地帯・墨田区は、昔から数々の水害や高潮の被害に見舞われ、現在も荒川の堤防が決壊したら浸水被害が予想されている地域。
水害のみならず、古くは江戸・明暦の大火(犠牲者10万人超)や関東大震災、東京大空襲でも甚大な被害を受けてきた墨田区。その中心にあるのが本所防災館です。
深い災害の歴史を背負っているからか、本所防災館の体験ツァーや展示は「住民にとって本当に役立つ防災知識とは何か?」を、考え抜いて構成されているなあ、と実感。無駄な情報がひとつもないんです。
体験設備も最新鋭。風速30m、1時間雨量50㎜の暴風雨体験ができるのは東京都・神奈川県でもここだけ。地震体験も数年前にリニューアル。関東大震災はじめ過去の大きな地震が再現できる最新設備です。
そのせいか、来館者がとっても多い。お子さんづれの家族から外国人の方々まで、同じ時間帯に複数の体験ツァーが実施されていて、館内のあちこちでグループごとに移動する行列が。
でも、べテランスタッフの方々が優しく親しみやすく、時間内に全員が体験できるように目配りしてくれるので、混雑していても大丈夫(ツァーは事前予約が必要)。
今まで数々の防災センターを訪問してきたけれど、本所防災館は別格中の別格。
ホントに勉強になりました!

記事執筆 & 写真撮影 青山田あかり
神奈川県 横浜市在住。写真ブログ「坂や丘のある町 walk along」に、気楽な記事を毎週投稿しています。
本所防災館は、本所消防署のお隣り
JR・東京メトロ錦糸町駅から徒歩10分あまり。京成線や都営浅草線、東武スカイツリーライン・半蔵門線が乗り入れる押上駅からも徒歩10分。
本所防災館は、本所消防署のお隣りにあります。
立派な外観の建物は4階建て。そのぜ〜んぶが体験施設と防災展示。

体験ツァーは①自然災害コース(地震、煙、暴風雨、都市型水害)と②自助共助コース(地震、煙、消火、応急手当)のふたつ。今日は、暴風雨体験ができる自然災害コースに参加します。
休日とあって、お子さんづれのご家族も多数参加。25名ほどのグループで回りました。
カッパと長靴で、本格的な暴風雨体験
シアターで20分ほどの防災映画を視聴したあと、さっそく本所防災館ならではの暴風雨体験。
カッパに長靴、長靴カバー、マスクをつけて完全防備。脱ぎ着は、スタッフの方の説明とサポートであっという間。
小学生以上は1時間雨量30㎜・風速10m、中学生以上〜大人は1時間雨量50㎜・風速30mを体験します。
手すりにつかまって頭を下げ、必死に暴風雨に耐えます。

これほどの暴風雨だと、傘はまったく役に立たないどころか、裏返しになって人に刺さるなど凶器に変わることも。暴風雨の時は、傘は使わないことが鉄則。
ここで照明が夕方に切り替わり、壁面には帰宅を急ぐ人たちの映像が。

夜の川の映像も恐ろしかった。災害が迫っている時は、川や水辺には絶対に近づかない!
都市型水害体験は、アンダーパスと水圧ドア
次は、大雨による地下街の浸水や道路の冠水によって水圧がかかったドアの重さを体験する都市型水害体験。
浸水の深さによってドアの重さが変化。水深30㎝でも、ドアはまるで岩のように重くなって、両手で思いっきり押しても開かない。

冠水したアンダーパスを想定した車のドアを開ける体験もありました。
車のドアは、通常のドアと違って両手で思いっきり押し開けるのが難しい。足の踏ん張りも狭い車内では思うように力が入りません。
その上、車が水につかるとエンジンが止まり、電気系がショートしてパワーウィンドウは作動せず、どうやったってドアは開かない。
こうなったら、緊急脱出ハンマーでサイドウィンドウを割って脱出するしかありません。車にはハンマー常備しなくちゃ、ですね。
ダンゴムシポーズで震度6を体験
昭和世代のワタクシが学校で習ったのは、「地震が来たら、まず火を消す」。
しかしコレ、今となっては相当な時代遅れだそう。
令和の今、地震が来たら「ダンゴムシポーズ」。丸くなって後頭部を手で守る防災姿勢です。
確かに、巨大地震が発生したら立っているのも難しい。火を消しにキッチンへ向かう余裕はないでしょうね。

本所防災館の地震体験設備はコロナ時に完全リニューアルを果たし、関東大震災から東日本大震災まで過去の巨大地震をリアルに再現できるようになったそう。
壁面には商業施設や自宅などの映像が流れ、揺れによって棚から商品が落ちたり、タンスが倒れるなど二次被害への理解も深まります。
体験ツァーのあとは、防災展示
シアター(防災映画)、暴風雨、都市型水害、地震、火事(煙)を体験して、ツァーは1時間45分で終了。
ガイドスタッフの方の分かりやすい説明、楽しいお話、てきぱきとした進行で、あっという間に時間が経ってしまいました。
しかし!
本所防災センターは体験ツァーのみならず、防災展示も大充実。ガスの復旧方法、家具の転倒対策、荒川の堤防が決壊した時のシミュレーションなどなど。
本当に必要な防災知識を過不足なく展示していて、とっても勉強になりました。
知ってる人は2割だけ?ガスの復旧はボタンを押すだけ
現在、都市ガスのほぼ100%に搭載されているガスのマイコンメーター。震度5以上の地震の際は、自動でガスを遮断する安全機能です。
遮断するのはいいけど、復旧はどうするの?
東日本大震災の時は、都市ガス事業者に復旧方法を問い合わせる電話が殺到したとか。現在でも復旧方法を知っている人は2割ほどしかいない、と言われているそう。
やってみると、復旧は超カンタン。
復帰ボタンのキャップを外してしっかり押し、3分間待つだけ。

今日からできる!家具の転倒対策
家具の転倒対策、略して「家具転対策(カグテンタイサク)」。初めて聞いた、この言葉。
本所防災センターでは、かなり広いスペースを割いて「家具転対策」の展示があります。
そのポイントは、
- 集中収納:クローゼットや押し入れに収納して、生活空間にモノを置かない
- レイアウト:倒れても避難経路が確保できるように、家具を配置する
- 対策器具:突っ張り棒などで、家具が動かないように固定する
例えば、棚の天面に滑り止めシートを置くだけで、モノが倒れにくくなる。

突っ張り棒の設置位置にもポイントが。手前じゃなく、奥に設置することで強度が増すんだそう。知らなかった〜

家具の安全なレイアウトを体験できる展示もありました。家の間取りの模型の中には、ちっちゃい家具が置かれていて、自分で安全な位置にレイアウト。
家具をどこに置くかで、地震の二次被害を減らすことができるんですよね。

荒川の堤防が決壊したら!?
こちらのパネル展示は、荒川の堤防が決壊した想定で、戸建てとマンションに住む2家族が2週間どのように過ごし、災害を乗り越えるかをシミュレーションしたもの。
かわいいイラストとマンガみたいに読みやすい構成で、水害が発生した時、何が起こるのか、どうそなえればいいのか、楽しく学べます。

本所防災館のあとは、浅草までお散歩
本所防災館から、スカイツリーを眺めつつ隅田川を越えて浅草まで、歩いて30分ほど。
お散歩にはちょうどいい距離です。
本所防災館の訪問を終えて、友人とふたり、ぶらぶらと浅草まで歩きます。

墨田区立墨田公園。対岸は、台東区立の隅田公園です。

浅草寺。休日で大賑わい。

途中、甘味処であんみつを食べて、商店街を見て歩いて、楽しい時間を過ごしました。
何度でも行きたい!本所防災館
本所防災館は、本当に必要な防災知識を分かりやすく、楽しく教えてくれる大充実の防災館。
きっと関わっている方々が「真に役立つ防災知識を習得してもらうにはどうしたらいいのか」と日々議論や探究を重ねて、体験ツァーや防災展示の内容を工夫しているんだろうな〜、と感じました。
ツァー中はガイドスタッフの方のお話に、みんなでウケて笑ったり、ふむふむと納得したり、見ず知らずの参加者同士なのに暖かい雰囲気。他の施設ではあまり感じたことがない居心地の良さでした。
今回は、自然災害コースの体験ツァーに参加したけど、応急手当が学べる自助共助コースもあって、次回はそっちも参加してみたい。
浅草散歩も楽しかったし。これからも何度も訪れたい本所防災館でした。












