ちょっとした不調、何が原因?自分でできる改善法をやさしく指南「おうち養生 きほんの100」

立て続けにできる口内炎、寝ている時の足のつり・こむら返り、まぶたピクピク。。
病院に行くほどじゃないけど、なんだか気になる体の不調。
その原因を中医学の視点からやさしく解説してくれて、食事やツボ押し、生活習慣の改善など自分でできるケアを提案してくれるこの本、「不調ごとのセルフケア大全 おうち養生 きほんの100」田中友也著(KADOKAWA)。
目次からすぐ知りたい不調が探せて、分かりやすいイラスト付きのページは読むだけでなんだか癒されちゃう。
著者の田中友也さんは神戸の漢方相談薬局「CoCo美漢方」で漢方相談に対応する国際中医専門員。
漢方薬局はウチの近所にもあるけど、何をどう相談すればいいのか分からず、足を踏み入れたことはありませんでした。
この本を読んで背中を押された気持ちになり、勇気を出して初めて漢方薬局に行ってみたら、親切に話を聞いてくれて、今の自分の不調に合った漢方薬を処方してもらうことができました。その様子もご紹介します。
トシとともに不調が増えつつある今日この頃。。
気軽にこの本を開いて不調の原因のヒントをもらい、早めのケアに繋げたいな〜。
不調のリストアップが分かりやすい!
なんと言ってもこの本の特長は、分かりやすい目次。
「熱中症」「花粉症」「冷え性」のような症状名だけでなく、体質のお悩み(「薄毛」「頻尿」「多汗」など)や、「集中力が続かない」「心がもやもやする」「緊張しやすい」など心の状態まで、全部で100の不調を網羅。もちろん、「まぶたのピクピク」もあります。
「これこれ!これが知りたかったんだよ〜」となる確率高し。

不調ごとに見開き2ページで原因とケアを指南
ひとつの不調に見開き2ページで原因と対策ケアを指南してくれます。食事やツボ押し、ストレス発散のヒントなど、すぐに実践できることばかり。どのページにもゆるいイラストが付いていて、ひと目でポイントが分かる。

体質チェックや中医学のお話も
巻頭や巻末には、どういう状態が「不調」なのか、中医学の視点から解説するコラムが。
セルフケアの第一歩は「わたしの体は、わたしが守る」意識を持つことです。その守りの心強い要として、意識したいのが衛気です。
衛気は、中医学でいうと、生命を維持している「気(エネルギー)」の一種であり、人間にとって大切な免疫力にまつわるものです。衛気は(中略)わたしたちの表層をカバーして、邪気(外からやってくる病因)から守ってくれるバリア機能のようなものです。
(中略)衛気が不足すると、衛気の守りが弱まり、外邪(外からの邪気)が体の中へ簡単に侵入しやすく=不調になりやすいわけです。
(中略)不調を予防して「病気になりにくい人」になるには、衛気の強化がキーワードになってくるのです。
「不調ごとのセルフケア大全 おうち養生 きほんの100」P8~9
「免疫力」ってコロナの時ひんぱんに聞いた言葉でしたが、中医学では「衛気」という概念で考えるのですね。
例えば、同居の4人家族の誰かが風邪をひき、順番に感染する中、ひとりだけ風邪を引かない人がいたりします。その人は日頃から良く食べ良く寝て、運動もしていて、体力のある人だったりしますよね。
つまり免疫力を高めるライフスタイルが「衛気」を強くして不調になりにくくするということ。そのためには日ごろの養生が大切なんですね〜。
巻末には8つの代表的な「不調体質」も紹介されており、自分はどのタイプなのかチェックして、必要な予防を知ることができます。
慢性的なお悩みを、漢方薬局に相談してみる
この本を読んで、ワタクシにも長年にわたって再発を繰り返している原因不明の不調があることに改めて気がつきました。
それは、バネ指。
すでに2回手術してますし、ステロイド注射は小指以外のほぼ全部の指に打ったんじゃないかなあ。
手術や注射の効果は絶大で、施術すると短期間で痛みは治まってしまいます。でも、問題なのは半年〜数年おきに、いろんな指に再発すること。
漢方で穏やかに再発を予防することはできないのかな。。
「再発予防」は、まだ症状が出ていない段階でケアするわけだから、手術や注射では対応できない分野です。
西洋医学は科が細分化されており、部分的に詳しく診断することができ、様々な検査により病気を多面的にとらえることができますが、検査で異常が見つからないとき、どんなに症状が出ていても病気ではないと診断されてしまいます。
対して中医学は、体全体のバランスを考えて不調を整えますので、今起こっている症状だけをみるのではなく、その人の生活や体調、食事、病歴などをトータルにとらえて立て直す手立てを考える医学です。
「不調ごとのセルフケア大全 おうち養生 きほんの100」P237
この本に背中を押してもらい、初めて漢方薬局でバネ指について相談してみました。
まず驚いたのは、丁寧に話を聞いてくれたこと。
バネ指の症状だけでなく、ワタクシの生活や食事、バネ指以外の不調に関しても聞き取ってくれて「ちょっと体力が落ちているようだから、まずは体力をつけてぐっすり眠れるように漢方薬を処方しましょう」と。
どうも漢方の立場では、「気・血・水などのアンバランスや、外部からの邪気の影響が組み合わさって不調や症状として表出する」と考えるようで、まずは「体質改善」が重要、というお見立てでした。
次に、数種類の漢方薬を選んでくれて、試飲。
「甘いと感じたら、体がその漢方薬を欲している」らしい。その日一番甘さを感じたのは「心身の疲れによる不眠症や眼精疲労に効果がある」とされる漢方薬でした。お見立て通りで、びっくり!
また、漢方薬は「やめ時が自分で分かる」とおっしゃる。
「甘さを感じなくなったら、体質が改善されたということだから、服用は終わりにしていいですからね」
普通の薬局のように箱買いではなく、必要な日数分だけ処方してくれるのも助かりました。
9日分処方してもらいましたが、確かに9日目には甘さを感じなくなり、水の様なフラットな味に感じました。その頃には、寝つきも良くなって、元気になった感じ。
不思議な漢方薬の効能。面白いなあ〜。
2回目にお店に行った時には、「ここまで来るのは遠いでしょう」と、ワタクシの自宅近くの漢方薬局を紹介してくれました。「いろんな漢方薬局から話を聞いてみるのもいいもんですよ」だって!確かに〜。恐るべし漢方薬局のネットワーク。
まとめ
バネ指がなぜ発症・再発するのか、その原因は様々言われているけど「これ!」という特定はできないんですよね。手をよく使う人に多い病気とは聞くけど、会社で事務仕事してればキーボードやマウスを使うのは普通のこと。それでも、発症しない人も多いしね。
今回処方してもらった漢方薬も、ダイレクトにバネ指に効くというより「体力回復と睡眠」を目的としていました。
それでちょっと思い浮かんだのが、バネ指が再発するタイミングって、確かに仕事が忙しくて免疫力が下がってる時が多かったような。
「今起こっている症状だけをみるのではなく、その人の生活や体調、食事、病歴などをトータルにとらえて立て直す手立てを考える」という中医学や漢方の視点からみてみると、不調は心身の状態がカタチになって現れた「氷山の一角」。
だから、ちょっとした不調をそのままにしないことは、日々元気に暮らしていくために大事なことなんですね〜。
「不調ごとのセルフケア大全 おうち養生 きほんの100」田中友也著(KADOKAWA)は、手元に置いていつでも気軽に参考にしたい本です。