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東京都文京区にある小石川植物園は1684年(享保元年)、「小石川御薬園」として徳川幕府によって開かれて以来、今年(2022年)でなんと338年!日本最古の植物園で、現在は東京大学の附属施設です。
夏に訪れた時、園内は新緑におおわれて、吹き抜ける風も緑色に染まるかと思うぐらい、緑一色が印象的でした。
しかし秋に訪れてみると、園内は一変!
金・銀・赤・黄・青・緑など色とりどりの色彩が、秋の陽射しに照らされてキラキラ輝く。厳しい冬の一歩手前、一瞬のご褒美のような美しさです。
季節によって、こんなに印象が変わるなんて。
2022年12月上旬に小石川植物園を訪ねました。
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小石川植物園のプロフィール
都心でありながら広大な敷地。ゆっくり歩くと2時間以上かかる。ちょっとした山道、池や湿地もあるので歩きやすい靴で出かけるのがおすすめ。天気が良ければ陽射しがたっぷり。帽子もあるといい。
温室や薬草園、将軍綱吉にルーツを持つ日本庭園もあります。
東京大学大学院理学系研究科附属植物園 | |
開園年 | 1684年 |
面積 | 161,588 平方メートル |
三脚使用 | 使用を制限する規則はなし |
アクセス | 三田線 白山駅 A1出口 徒歩約10分 その他複数の選択肢あり |
駐車場 | なし |
管理者 | 東京大学 |
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落ち葉が降り積もる園内
受付でチケットを買ったら、すぐ横の脇道を入り、落ち葉が降り積もる道を進みます。この日は快晴。道なりにいくつも現れる池が、鏡のように秋の空を映し出して。
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見て!色づいた葉っぱがキラキラと輝いてます。
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イチョウの葉が敷き詰められた道。足元がフワフワ。
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道の先には、想像どおりイチョウの大木が。周辺はもう、すべてがイチョウの葉に埋め尽くされてました。
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鮮やかな紅葉のグラデーション
緑から赤まで、さまざまな色が混じり合うグラデーション。こんな紅葉は見たことない。一体この木は何の木?
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なんと、日本原産の「メグスリノキ」。カエデの仲間です。英語名はNikko Maple。
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その名の通り、昔から目の病気に効くことから、ついた名前とのこと。樹皮や小枝を陽に干して煎じた液で目を洗うんだそう。
樹高20メートル以上にも達する背の高い木なので、よ〜く上を見上げないと紅葉に気が付かず通り過ぎてしまうかも。上を向いて歩こう!
圧巻のモミジ。
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色づく実と、満開の花
園内では、いろんな実も色づいていました。サザンカやツバキも満開。Leica Q2のマクロモードで撮影。
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太郎・次郎稲荷にお参り
小石川植物園の敷地内には太郎稲荷・次郎稲荷、2つのお稲荷さんがあります。徳川吉宗時代の地図にはすでに登場していたという由緒あるお稲荷さん。ちょっと場所が分かりにくいけど、探し当ててお参り。
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イロハモミジのトンネル
本館が見える広場と並行に、イロハモミジの並木があります。クレヨンで描いたような暖かい色。紅葉のトンネルはゆっくり歩こう。
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宝物のような美しさ
秋の小石川植物園は、惜しげもなく宝物をすべて並べて見せてくれたよう。自然の持つ美しさに目を奪われました。
秋、そして冬へ
2時間半、途中休憩しながらゆっくり歩いて園内を一周。まだ時間は午後1時半なのに、日差しは低く斜めから差し込んで、もう夕暮れを感じる雰囲気。本館前広場の桜はすっかり葉が落ちて、裸木の影が長く延びていました。
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これから長い冬。森にはまた静かな時間が戻ってくるのでしょうね。
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