小石川植物園は都心にある巨木の森。老樹と対話しながら静かなウォーキング

東京都文京区にある小石川植物園は1684年(享保元年)、「小石川御薬園」として徳川幕府によって開かれて以来、今年(2022年)でなんと338年!

日本最古の植物園で、現在は東京大学の附属施設です。

植物園というと、バラ園があったり、ガイドツァーがあったり、イベントがあったりしますが、そんなものは一切なし!地味で、質実剛健な植物園。

悠久の歴史を感じる巨木の森が園内に深く広がり、老樹たちが静かに来園者を見下ろしている。

いつの間にか対話が始まる。

答えは出さなくていい。

ゆっくり歩きながら自分と向き合う時間を過ごすことができる。

そんな植物園は、ここだけ。

2022年7月上旬に小石川植物園を訪ねました。

関連記事:秋の花菜ガーデンは見どころいっぱい。ハロウィン、お花畑、バラ園も。

小石川植物園のプロフィール

都心でありながら、虫や蝶、鳥など生き物が豊富に生息しているのもこの植物園の特長。夏は蚊が多いので、長袖・長ズボンがおすすめ。

バラ園はないけど、桜、梅、ツツジ、モミジなど季節ごとに見どころあり。

東京大学大学院理学系研究科附属植物園
開園年1684年
面積161,588 平方メートル
三脚使用使用を制限する規則はなし
アクセス三田線 白山駅 A1出口 徒歩約10分 その他複数の選択肢あり
駐車場なし
管理者東京大学

まるで絵のような風景。水鏡に映る緑の木々

受付でチケットを買ったら、正面の広い道を上りたくなる気持ちをグッとこらえて、脇の小道を進みます。

するとほら、もう森が始まる。

東京の真ん中とは思えない

大小の池が次々と現れ、緑の木々を水鏡に映し、まるで絵のよう。

白サギが一羽だけ

5代将軍・徳川綱吉が住んでいた御殿の庭園

視界が開けて、大きな池の向こうに古風な洋館が。ここが日本庭園。将軍綱吉が子供の頃住んでいた白山御殿の庭園がルーツ。

紅い洋館は旧東京医学校の本館。東大関係の建物の中でも最古とのこと。

いや〜、歴史がハンパない!

現在は東大の建築ミュージアム。耐震性能不十分のため、2021年から休館中

森はさらに深くなっていく

小石川植物園の一番奥は、スギやヒノキなどの針葉樹の森。

マツボックリがたくさん落ちてる地面はふかふか、やわらか

樹皮の表情は多彩!

巨木の樹皮はなんだか、老師の顔のシワのよう。表情豊か。

森はだんだん明るくなって

古い消火栓が生真面目に立ってます。

まだまだ現役で頑張ってるのかな

今回満開だった花、ムクゲ

出会った時は「花がある!」と驚いてしまった。

他にも咲いている花はありますが、みんな控えめで目立たない。この植物園は、そこがいいんですよね。

人間の背丈ぐらいの木に、花がすずなり

メインストリートへ

温室や売店、本館へと続くメインストリートには、イロハモミジの並木。

秋には圧巻の紅葉

園内には小さな売店が一軒

飲食はOKなので(アルコールは不可)、園内でお昼をちゃんと食べるなら、入園する前に調達するのがおすすめ。

売店ではポテトチップ、インスタントラーメン、軽食、飲み物など売ってます

小石川植物園の名所を一挙ご紹介

地味で質実剛健な小石川植物園。自慢の展示も渋い!その由来がまたハンパない。

ニュートンの生家にあったリンゴの木の接ぎ木、遺伝学の権威・メンデルが実験に使ったぶどうの木の分株も。

温室や薬園保存園もあります。展示より研究がメインのよう。派手な植物は目につきません。

不思議な小石川植物園

ゆっくり歩いて、時々休憩して、2時間ほどで園内を一周。

あちこち時空をさまよって、やっと現代に戻ってきたような、不思議な感覚。

これは、もっと探索したくなりますね。

春、夏、秋、冬。季節はもちろん、雨の日に長靴を履いて巨木の森を歩くのもいい。

不思議な植物園です。

関連記事