2022年1月のフォトギャラリー 今月のテーマは「季節の中の思い出」自由が丘の秋冬を切り取る
フォトギャラリーでは、毎月テーマを決めて撮影した写真を公開しています。
テーマは私が通う写真学校の宿題として出されたもの。授業は月に一度。生徒は1ヶ月かけてテーマに沿った写真を撮影します。
何かを伝えられる写真。今しかない一瞬を切り取った写真。見てくれた人がポジティブな気持ちになれる写真。そんな写真を撮影したい。
写真学校の様子とともに、撮り下ろし写真をご紹介します!
漠然としたテーマをどうする?
今月の宿題(テーマ)「季節の中の思い出」。
普通だったら春はお花見、夏は海水浴、、みたいな季節のイベントを想像しますよね。しかし宿題の提出に合わせてイベントを開催することもできないし、あたりまえの写真を撮っても意味はない。
どうしたもんだろう。中々アイディアがまとまらない。
そんな時、たまたま用事で訪れたのが「自由が丘(東京・世田谷区、目黒区)」でした。
自由が丘はとってもユニーク
東京の街がどんどん開発されて、便利だけど似たような景色に変わっていく。でも自由が丘はちょっと違う。
おしゃれな街と下町が同居している面白さ。個人商店がまだまだ元気で、働いている人と住んでいる人のバランスが良い感じ。しっかり生活の町というベースがある。とても魅かれました。
そうだ、自由が丘にとっての「季節の思い出」を切り取ってみたらどうだろう。
それでは今月の写真6枚、ご紹介します!ステートメント(文章)を交えてご覧ください。
自由が丘・秋から冬へ
人間に人生があるように、町にも人生があるとしたら、世田谷区と目黒区にまたがる「自由が丘」は、人生の秋を生きている。
自由が丘駅を出てすぐの一等地には、昭和から続く商店街。閉店した店や空きスペースも目立つけど、まだまだ頑張っている店もある。
しゃれたお店を通り過ぎて少し歩くとすぐに坂道の住宅街。
大きな家々の間に、アパートや団地がいくつもあり、誰もがお参りできる鎮守様もある。
「自由が丘」は、ここに住んでいる人たちの生活の町。
生活を超えた開発を静かに拒否しているように見える。
人生の春夏を過ぎて、穏やかに昔のにぎわいを思いおこさせる町のたたずまいは、秋から冬へ移り変わる季節にとても似合っている。
どこまで自分の写真を客観的に見ることができるのか?
先生は、「1枚目の商店街が屋内で、2枚目から屋外に展開していく流れはいいですね。」
「ただしその後がね」と間をとってから、「4枚目は急にパンジーの鉢に寄っちゃうね。急に“お花がきれい〜”っていう写真になってしまって、ちょっと残念」
「撮った人は、自分がその写真をどんなに好きか、どれだけ苦労して撮影したかよく分かっているから選んでしまうけど、本当にこのテーマに必要な写真のセレクトなのか自分を突き放して考えてみる必要があります」と。
「5枚目の神社も、主役が自由が丘という町なら、のぼりに寄るよりは、参道を俯瞰で撮影した方がより伝わったんじゃないかな。被写体との距離感や視点は、とても重要ですよ」
「最後の写真は一番インパクトが強いんだけど、おだやかな町のたたずまいというよりは、寂しさが強く出てしまうね」
実は、最後のおじいさんの写真を一番最初に撮影したんです。我ながら気に入ってしまって、どうしてもこの写真を使いたかった。
そういう我欲というか、色気がでてしまうと本来のテーマから離れてしまうのかもしれませんね〜
「写真を見る人には、撮影者の個人的な思い入れは関係ありません。自分が苦労して撮影した写真、大好きな写真をバッサリ切れるか。それができるかどうかで作品の質が変わりますよ」と、先生。
う〜ん。難しい。
自由が丘は今回で終わりではなく、今後も撮影したい町。
まだまだこれから。リベンジ、あります!
それでは、また来月。