【58歳 再就職】面接で聞かれる「新入社員から指示されても大丈夫?」を考えてみる

58歳で34年勤めた会社を早期退職。現在、絶賛再就職活動中です。
応募したくても年齢でひっかかり、書類すら送れない数ヶ月を経て、最近有期の嘱託職員募集で面接まで辿り着きました。
そこで聞かれた質問のひとつが「新入社員から指示されることもありますが、大丈夫ですか?」というもの。
経験豊富なシニアにとってちょっと残酷とも言えるこの質問。
どう受けとめて、どう回答すればいいのかな?

記事執筆 & 写真撮影 青山田あかり
神奈川県 横浜市在住。写真ブログ「坂や丘のある町 walk along」に、気楽な記事を毎週投稿しています。
期限付きの嘱託職員
この求人は、とある独立行政法人が募集したもので、ある部署のアシスタント業務を3年間担当する、というもの。3年を超えての契約更新はありません。つまり、期限付きです。
ワタクシ、再就職活動を始めた当初は、今まで同様「正社員(期限のない雇用契約)」の採用を目指していました。
しかし、58歳の正社員採用は厳しい、という現実に直面。
正社員求人は、エージェントから「先方は40代までの人材を希望してます」と言われてしまい、書類を送ることすらできない日々。
そんな中、紹介されたのが有期の嘱託職員募集。有期の場合、応募に年齢は問われないことが多いです。
3年間という期限付きも考え方を変えれば、組織に縛られることなく一歩引いた立ち位置で関わることができそうだし、責任範囲も限定的だから、ワークライフバランスも問題なさそう。
嘱託職員って、シニアにはありがたい募集なんだな〜、と考えが変わりました。
とにかく書類を送りたいという気持ちもあって応募したところ、面接の連絡が。
新入社員から指示されても大丈夫?
面接はリモートで約20分。
わりと最初の方で、職場の上長の方から「新入社員が指示をすることもありますが、大丈夫ですか?」という質問がありました。「長年のご経験がおありのようなので、誤解がないよう先にお伺いしておきたいと思います」とのこと。
この質問、嘱託職員の面接では結構聞かれると聞いていたので、あらかじめ心の準備はしてきたつもり。「はい、これまでも年下の上司やメンバーと一緒に仕事をしてきましたので、まったく問題ありません!」と力を込めて回答。
ハローワークのサカシタさん(仮名)
面接の結果は、残念ながら不採用でした。
その後、ハローワークのベテラン職員サカシタさんと今回の面接の振り返りをしました(担当者制を実施しているハローワークでは、職員を指名して面談できます)。
サカシタ「新入社員から指示されるっていう質問だけ、ちょっと気になりますね」
ワタクシ「そうですよね。普通新入社員ってまだ慣れてなくて、先輩の指示で動くことが多いのに。わざとこちらの覚悟やプライドを測ろうとして質問したのかなあって感じもして、ちょっと嫌な気持ちがしちゃったのは事実です」
サカシタ「なんて答えたんですか?」
ワタクシ「自分は問題ないです、できます!みたいに答えました。でも、力が入りすぎちゃったのか、先方の反応が薄い感じで。次回同じような質問をされた時、どう答えればいいんでしょうね。。」
サカシタ「う〜ん、、“新入社員の方に早く成長してもらって、リーダーシップを発揮してほしい、という職場のニーズがあるんですね”、という先方の状況に配慮したコメントは有効かもしれませんね」
ワタクシ「あ〜。なんで相手がそんなことを言ってくるのか、という背景に注目するわけか。。」
サカシタ「少子高齢化で若手人材は職場にとって貴重な存在ということはあるでしょう。こちらとしては、求められればこれまでの経験やスキルを共有することもできるし、そうでなければ過去にはこだわらず、若手の成長をサポートすることを第一に考えて業務に当たります、という感じかな」
ワタクシ「確かにね。。意地悪な質問ととらえるんじゃなく、相手は必要だから聞いている、と考えれば嫌な気持ちはしませんね」
サカシタ「向こうも、”誤解がないよう事前に聞いておきたい”と言ってるわけですから」
相手も自分も気持ちよく会話するために
サカシタさんは、面接に落ちたからと言って自分を変える必要はない、面接で嫌な質問や想定外の質問が飛んできたときは、質問の背景を想像して回答すると、自分も受け入れやすく、回答もしやすい、とアドバイスしてくれました。
「面接でも、言いたいことは言っていいんです。お互い理解しあえればね。ただ、もし今回の面接が自分本意のコミュニケーションだったかな、と感じているんだったら、アサーションについて調べてみて。きっと役に立つと思う」と、最後にヒントをくれました。
アサーションって初めて聞いたけど「自分も相手も大切にするコミュニケーション」のことらしい。
どちらかが一方的に我慢することもあきらめることもなく、年齢や人種、性別、役職などによらずお互い理解し合い、葛藤がある時は歩みよってものごとを進めていく関係のあり方、コミュニケーションの方法のこと。
上司と部下、正社員と嘱託職員など職場で立場が異なる関係性にもバッチリ当てはまるし、面接でも使えそう。
採用不採用にかかわらず、お互い気持ちよく会話できれば、双方にとって爽やかな後味になるんだろうな。
「新入社員からの指示に従えるか?」という質問は、意外に学びが多かったのでした。