【58歳・再就職】ダメ元で攻める!「この人ならできそう」と思わせる志望動機の書き方って?

先日、自分の希望職種で結構人気の求人に履歴書を送り、書類審査を通過することができました。

残念ながら、面接では不合格。

しかし、その時履歴書に書いた「志望動機」について、ちょっと面白い気づきがあったんです。

坂や丘のある町 walk along

記事執筆 & 写真撮影 青山田あかり

神奈川県 横浜市在住。写真ブログ「坂や丘のある町 walk along」に、気楽な記事を毎週投稿しています。

大変よくまとまっている「志望動機」

ワタクシ、現在3人のプロに再就職の相談にのってもらってます。

  • ハローワーク担当制職業相談員のサカシタさん
  • 再就職支援サービスのスギヤマさん
  • 産業雇用安定センターのトチオさん

この時の求人は、再就職支援サービスの求人検索サイトから情報をゲットしました。

スギヤマさんに「これ、受けたいです」と申し出ると、「この求人、人気なんですよね〜。ちょっとハードルが高いかもしれません」と初めから牽制モード。

しかしその程度の反応はもう慣れたもの。準備してある基本の履歴書の「志望動機」の部分だけ微修正を加えて、ちゃちゃっと提出書類を準備。

さっそくスギヤマさんに送ってチェックしてもらうと「大変よくまとまっていますね」と返信がありました。加えて、誤字があった、とのご指摘。すぐに修正して、完成。

その完成した履歴書を、産業雇用安定センターのトチオさんにもメールで送ってみたんです。たまたま翌日、面談の約束があったので。

産業雇用安定センターのトチオさん(仮名)

面談室で向かい合ったトチオさんは、ワタクシが送った履歴書のプリントアウトをおもむろに取り出し、険しい表情。

トチオ「同僚とふたりで拝見しましたが、志望動機がサラッとし過ぎていて、ちょっと弱いんじゃないでしょうか」

え、、、スギヤマさんのコメントと違うじゃないの!

トチオ「先方はこういう人に来てほしい、という具体的な人物像を絶対持っているはずなんですよ。それに対して自分ができることを具体的に書いた方が先方の関心を引くと思います」

トチオ「この志望動機は読みやすいし、みなさんよく使う言葉がきれいに並んでいます。でも、これを読んでも、先方の課題を解決できる人材なのかどうか、判断できないんじゃないでしょうか」

ワタクシ「え〜!いや、そんなこと言っても、せいぜい求人票か、先方のホームページぐらいしか情報源はないんだし、相手が何に課題を感じているかなんて、正確に読み取ることは難しいですよ。もし先方の意図とずれたことを書いたら、それこそ不合格になってしまうんじゃ、、」

トチオ「はい。そこは確かにリスクはあります」

ワタクシ「それに、課題を解決できる人材かどうかなんて、どうやって表現できるんでしょうか」

トチオ「私はできます、という書き方だけではなく、先方が ”なるほど、この人ならできそうだ” と納得する具体的な情報があった方がいいと思います。例えば、敢えてその職種で過去苦労したことに触れて、どうやってそれを乗り越えたか書き添えるとか」

それを、この狭い志望動機のスペースに今から追加すると?

う〜む。

トチオさんはちょっと悲しそうな表情になって、

「まあ、明日が提出の締め切りで、もう時間はないと思うので、次回のアドバイスにしてもらっていいんですけどね」

志望動機を全面改訂

同僚とふたりでワタクシの履歴書をシッカリ読んでくれただけでなく、先方の求人票もシッカリ確認して「この求職者が、この求人に合格する志望動機」に絞ってアドバイスしてくれたトチオさん。

帰宅して思い返すと、とてもありがたいことだよな、とじわじわ感じてきました。

「私はできます」だけでは、相手に届かない。相手が困っていることを最大限想像して、私ならこうやって対応できます、なぜならこうした経験があるから、という例を具体的に書く。

ひとりよがりじゃだめですよ、相手のことをもっと考えましょう、と言われているようでした。

うん。

これは人気の求人で、元々合格率は高くない。その上こちとら年齢というハンディもある。だったら、思いっきりリスクをとっちゃってもいいのかも。ダメ元で、爪痕を残すのもアリだ。

改めて先方の求人票とホームページをじっくり見直して、同業他社のホームページと比較してみると、「ここら辺に課題を感じているから、今回この職種の求人を出したのかも」というイメージが湧いてきました。

「応募書類の書き方セミナー」で教えられた優等生的テクニックは一旦脇に置いて、志望動機を率直に書き直しました。自分自身の言葉で。

なんとか締め切りに間に合うように提出したところ、みごと書類審査に合格。リスクを負っただけのリターンはあったわけです。

スギヤマさんには、志望動機を書き直したことは言わなかったけど「書類通過するの大変だったんじゃないですか」と、驚いてくれました。

面接で不合格だったのは残念。

結果を報告するとトチオさんからは「今回はこれで上出来だと私は思っております。次回のチャレンジに繋げましょう」とハゲマシのメールが届きました。

産業雇用安定センターとは

産業雇用安定センター(ジョブ産雇)は、1987年に設立された公益財団法人。

当時の労働省、日経連、産業団体などが協力して、プラザ合意に伴う円高不況により大量解雇された労働者を無料で支援する専門機関として設立されたといいます。

現在、東京の本部と47都道府県に地方事務所を持ち、企業都合の退職者とシニア(60歳以上)の再就職を無料で支援してくれる組織です。

ハローワークや民間のエージェントと競合を避けるためなのか目立つ宣伝はしておらず、一般にはあまり知られていない存在。

しかし再就職を目指すシニアに中立の立場でじっくり話を聞いてくれて、時に親身に、時に厳しいアドバイスも辞さないところはとても頼りがいがあります。

三人のプロ、それぞれ違う

ハローワークのサカシタさんは、「シニアだからって遠慮する必要ない!」と、いつもポジティブ。ハローワークの職業相談という枠の中で、最大限のアドバイスをくれます。

再就職支援サービスのスギヤマさんは、ワタクシのような迷えるシニアを何十人も担当しているから、とっても忙しい。再就職市場の動向や、シニア向けの大規模な求人情報なんかを提供してくれます。

産業雇用安定センターのトチオさんは、ここぞという時、じっくり話を聞いて的確なアドバイスをくれる参謀的存在。

それぞれ違う、三人のプロ。

その知見をうまく使わせてもらって、時には複数の視点で見てもらうことで、自分でも思いがけない気づきに出会う。

不合格は辛いけど、得るものも多い再就職活動。

それは、こうしたプロとの交流から生まれてくるんですよね。

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