あなたと会えてよかった。そんな上司っているのかな?会社生活30年、感動をもらった上司のお話

SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO Artで撮影

「上司」でキーワード検索してみると、「上司が嫌い」「上司に怒られる」「上司と話したくない」など、ネガティブワードが出てくる、出てくる。

多くの部下の方たちが上司との関係で苦労している様子がわかります。いや〜、ホントに上司って厄介。

直属の上司と意思疎通ができないと、百害あって一利なし。

それなのに、上司と「意思疎通ができた」ことの方が断然少ないのも事実。

それでも会社生活30年、ごくたまに「あなたに会えてよかった!」と思える上司との出会いがありました。

彼らに共通していたのは、目の前の人を「大切なチームメンバー」としてサポートするという姿勢。立場の上下を感じさせることなく、です。

「あなたと会えてよかった」そんな上司とのエピソードをご紹介します。

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「私がやりますよ」雑務を引き受けてくれた上司

立て続けにイベントが続いて、準備作業が山積み。担当は自分ひとりだけ。いくら残業しても追いつかない。「土日も出社してやります」と上司に言ったら、にっこり笑って「頑張ってね!」と、それだけ。

そんな時、新しく課長さんとしてやってきた彼女は、今何をいつまでにやらなければならないのか、ひとつづつ聞き取った上で、「私が会議と車の手配、ランチの予約を明日中にやりますよ。だからあなたはプレゼン資料に集中して」

驚きました。

上司が雑務を引き受けてくれるなんて。

私が「良いプレゼン資料を作りたい、でも雑務で時間がない」と焦っていたのを見抜いて、サポートしてくれた。

彼女からは、相手のニーズに合わせた対応をすることで効率も効果も高まり、お互いの信頼関係が深まることを教わりました。

いいことづくめのやり方ですよね。

若い時は、常に自分のことが優先で相手に合わせるなんて考えたこともなかった。世界の見方が変わった瞬間でした。

「あなたはプロだ」役割に気づかせてくれた上司

会社という組織も、30年前と今では大きく変わりました。昔は年齢とともに出世して、希望すればだいたい主任や課長になれました。今は役職削減で主任なんていないし、課長になれない人の方が圧倒的です。

30代後半〜40代になると、役職を上がっていく人、現場でやっていく人が選別されていきます。

「あいつは課長になったのに、自分はなぜなれないのか」

当事者である本人は中々割り切れない。悩む時期です。

「あなたはプロだ。実務を知らない彼(課長)のことを助けてあげてほしい」

そんな時、こう言って異動先に送り出してくれた部長さんの言葉は、ちょっと感動でした。

会社で働いていると「プロ」なんて言葉あまり縁がありません。でも、自分が日々向き合い、磨いてきたスキルを「あなたはプロだ」と認めてくれた。

組織の中の自分の役割と目指すべき分野、そして実務の大切さに改めて気づきました。吹っ切れましたね。

「仕事を減らす」部下を守ってくれた上司

最近は女性だけでなく男性も育休を取りますし、病気休暇や介護休暇も以前に比べたら取りやすい雰囲気になってきました。

でも実際は、人員が急に減っても仕事は減らない。簡単に補充人員はもらえない。

上司にとって、部下の長期休暇申請は「理解」こそすれ、次の瞬間は「どうやって回していこう」という心配が湧き上がることでしょう。

残った部下に「残業していいから、なんとか頑張って」と言ってくる上司は結構多いんじゃないでしょうか。それって、体制の不備を個人の残業でカバーしようとすることで、とってもヘン。

まだ課長さんになったばかりの彼は、「来月から1名長期休暇で職場を離れる。でも補充はない。だから、仕事を半分に減らす」と宣言。それを聞いた時、残された方の私は「残業を強制されることはないんだ。じゃあ、もう少し頑張ってみようかな」と思ったんですよね。

上司って、「あれをやろう、これもやろう」は得意でも、「これはやらない」と決めて、周囲を説得することはすごく苦手な人種。彼はそのハードルを超えて部下を守ってくれた。

私より、10歳以上も若いこの課長さん。これからは部下を消費するのではなく、自分のチームの大切なメンバーとして尊重する姿勢が、なんでしょうかね、「令和!」という感じです。いや、昭和がダメダメだった、というわけではなく。時代の進化を感じました。

上司と部下、それは、、

それは、会社という組織の中だけの関係です。どちらかが組織を離れればその関係は消える。上下関係も、その時だけの限定です。だけど、人生のある一時期をともに過ごす間柄ではあるんですよね。

「あなたと会えてよかった」

上司と部下でも、そんな関係をつくっていくことは不可能ではないんだな、と。

そんなことを考えさせてくれた、上司とのエピソードでした。

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