5月のフォトギャラリー公開!今月のテーマは「なつかしい場所」

フォトギャラリーでは、毎月テーマを決めて撮影した写真を3枚公開しています。

テーマは私が通う写真学校の宿題として出されたもの。授業は月に一度。生徒は1ヶ月かけてテーマに沿った3枚の写真を撮影します。

何かを伝えられる写真。今しかない一瞬を切り取った写真。見てくれた人がポジティブな気持ちになれる写真。そんな写真を撮影したい。

写真学校の様子とともに、撮り下ろし写真をご紹介します!

なつかしい場所は、もう存在しない

今月のお題「なつかしい場所」。まず浮かんだのは、大きな段ボール箱いっぱいにある、大量の写真。今、実家の写真を整理しています。

図書館で借りた本「認知症の人と一緒に作るアルバム自分史(翔泳社)」。認知症の人の人生を写真で振り返るアルバム作りについて教えてくれる本です。一緒に作ることで症状の緩和に効果があり、制作過程で認知症の人やその家族と多くのコミュニケーションを生むことから介護福祉の現場で注目を集めているそう。

そこで私も認知症の母のアルバムを作るため、長く誰も手を触れなかった段ボール箱を開けて、整理をはじめました。

まだ母が元気なころ、「定年になって時間ができたら整理するわ」と言っていた大量の写真。そこにはもう会えない人たち、住所はあっても、もう存在しない家や建物、町が写っています。

なつかしい場所は、写真の中だけにしか存在しない。長く生きていると、そんな風になっていくんだなあ。

母の職場や同僚、友人たちとの旅行。写真の中の母はまだ若くはつらつとしていて、真っ赤なコートがとてもよく似合っている。

さらに段ボール箱の底には、私たちがまだ子供だった頃住んでいた団地、初めて両親が買った車、さらに両親の結婚写真も。母に結婚写真を見せると、そこに写っているのが自分だと、母はもうわからなかった。

1枚目は、「ここでしか会えない思い出」

そんな実家の写真整理をイメージして、自宅で撮影したのがこちらの写真。

「なんでアルバムが女性の方に向いてないのかな」と、先生から鋭い指摘。

そう、ついついカメラの方に向かってアルバムを広げてしまっていたのでした。我ながら、安易でしたね。。

実家の写真整理の話をすると、「段ボール箱が少しでも写っているともっと良かったね。実家の段ボールがその場になかったとしても、撮影するときは別の箱を置いておくこともできますよ。嘘ということではなく、写真は演技ができるから。そして、アルバムが女性の方に向いていればもっとリアリティがでたね。画面の切り取り方はこれでOK。それだけに、ちょっと惜しかったな」

最近は、写真をプリントしたり、アルバムにする人は減ってますよね。自分もそうです。でも、この機会に母のアルバムをちゃんと完成させたい。母に見てもらいたいし、これから母の認知症でお世話になる人たちにも、母の人生を知ってもらえたら、と思っています。

2枚目は、「なにがいるのかな?」

もう存在しない「なつかしい場所」がある一方で、何十年もまったく変わらない風景もある。

これは、東京国分寺から世田谷に向かって流れる「野川(のがわ)」。もう35年以上も前、私が学生だったころ、下宿から大学まで自転車で通っていた川です。

久しぶりで訪れてみると、まったく変わっていませんでした。この風景を守ってくれている人たちがいるんですね。ありがたい。

川に入って、何かを見つけた親子。川の上には自転車で通り過ぎる近所の方。「川の上と下、ふたつのストーリーが一枚の写真で表現されていて、とてもいいですね。言うことないです」と先生。

やった〜

3枚目は、「えだきん商店街の朝」

えだきん商店街とは、「荏田南近隣センター商店街」のこと。横浜市青葉区の老舗パン屋「パリジェンヌ」がある商店街です。

えだきん商店街の街路灯
えだきん商店街は街灯も昭和レトロ

団地の中にあって、昭和にタイムスリップしたような雰囲気。最初にこの場所を訪れた時は、けっこうな衝撃を受けました。それこそ強烈になつかしさが込み上げてきて。

よくよく考えてみるとなつかしさの理由は、私も9歳まで団地で育ったから。この風景が、子供の頃の記憶を呼び起こしたんですね。

この写真は「写ルンです」で撮りました。昭和の雰囲気を強調したかったし、ごっつい一眼レフを構えて子供たちに威圧感を与えたくなかった。

先生は「僕らが撮影する時、その場にあった機材を選定するのは大事ですね。”写ルンです” いいじゃないですか。」

「ただ、この写真では子供の背中だけじゃなくて、表情もつかまえられたらもっとよかったね。”写ルンですって知ってる?ちょっと撮ってみようか”、みたいに子供たちとコミュニケーションしたら、男の子はおどけてヘンな顔したり、女の子はポーズ撮ってくれたり、もっと生き生きした一枚になったんじゃないかな」

確かに。。しかし、被写体のとのコミュニケーションは、ホントにハードル高いです。

変わりゆく場所、変わらない場所。

写真といっしょに心の旅に出て、なつかしい記憶や思い出と出会った、今月の写真学校でした。

では、また来月!

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