生きがいを大切に。地域包括センターでケアマネさんに会う

先日、横須賀の実家がある地区を管轄している地域包括支援センターに出かけて行き、初めてケアマネージャーさんとお会いしました。
センターは海沿いの高台にあり、横須賀の海が一望できます。
相談したのは離れて暮らす母のこと
保育士として定年まで勤めた母。
定年後は、仲間といっしょに小学校や地区センター、老人ホームへと出かけて行き、赤ちゃんや小学生、高齢者に絵本の読み聞かせをするボランティア活動を続けてきました。
しかし、新型コロナの影響で3月以降活動はすべてお休み。散歩を兼ねて近所のスーパーに買い物に行く以外は外出することもなくなりました。
そのせいか最近は物忘れが多くなり、ついさっき話したことを忘れてしまったり、同じ話を何度も繰り返したり。耳も遠くなってきて、家族の話についていけない様子も。
これじゃあボランティア活動が再開しても母は以前のように活躍できず、いづれ活動を続けられなくなってしまうのでは。
ますます物忘れが進んで、父との二人暮らしも続けられなくなってしまうかも。
急に心配になってきました。
地域包括支援センターは高齢者のよろず相談どころ
考えてみれば、私も介護保険を毎月払ってはいるけれど、どうやって活用するのかまったく知りませんでした。介護保険制度が市区町村によって運営されていることも、今回初めて知りました。
「地域包括支援センター」は、高齢者に関することなら誰でも気軽に相談できる地域の拠点です。介護保険を使っていない人でも大丈夫。家族のことだけではなく、近所のお年寄りのことでも相談できます。
しかし実際どんなところなのか。学校や病院のように、想像がつくほど身近な場所ではありません。
初めての電話はかなり緊張しましたが、すぐにケアマネージャーさんが出てくれて、話を聞いてくれました。アポを取り、翌週の訪問を約束。
生きがいは誰にとっても大切なもの
母を誘ってみたのですが、「私はまだいいわ」と言われてしまい、私がひとりで訪問。
ケアマネージャーさんは、「読み聞かせの趣味をお持ちなんですか!とてもステキじゃないですか。生きがいはお年寄りにとっても、すごく大切なんですよ。ご家族も大事にしてあげてください」と言ってくれました。
そうか〜 ケアマネージャーさんは私の説明を聞いて、母にとって「読み聞かせは大切な生きがい」なんだ、とすぐに理解したんですね。
正直母の趣味や活動を、「生きがい」なんて考えたことはありませんでした。
母はコロナが落ち着いて、早く活動が再開されるのを楽しみにしています。でも、私は母が近いうちに活動を続けられなくなるんじゃないかと思いこんでいました。
「そのうち続けられなくなるだろう」じゃなくて、「どうしたら続けられるのか、そのために娘の私にできることは何か?」と発想転換することを教えてもらいました。
他にも両親二人暮らしの生活で心配なこと、どんな介護サービスがあるのか、同居せず介護するにはどうしたらよいのか、などなど相談にのってもらいました。
私も高齢になったらお世話になろう、と思いましたよ!
好きなことをいつまでも。ずっと遊び続ける
ダムで水没する故郷・徳山村を、60歳を超えて写真に撮り始めたアマチュア写真家の増山たづ子さんの写真集には、自然の中で元気に働くお年寄りの姿がたくさん収められています。
彼女は、「村の年寄りにボケ老人はひとりもいない」と書いてます。自然の中で四季それぞれ仕事があって、山や川からめぐみをもらい、それを人の手でいろんなカタチに変えて利用する生活。
その姿は、とても豊か。生活なんだから厳しいこともたくさんあるでしょうに、豪雪の冬でさえ、「冬が本当に楽しみ。いろんな家によばれて宴会して」と。
生活と仕事と遊びが、ひと続きになっていたのかなと思います。
都会でも元気なお年寄りはいらっしゃったようで、江戸時代の御隠居方は、花見や紅葉狩りなど季節の行事、芝居見物、旬のおいしいものを食べたりと忙しく過ごされた方々も。遊んでますよね。
「生きがい」って、好きなことをいつまでも、楽しく遊び続けることなのかな。
ひとりひとり生きがいは違う。なんでこんなことを?と思う「生きがい」もあるかも。
でも、もう大人になったんだから、他人の評価からは自由になって、楽しく遊び続けたいな、と思います。元気なうちに、精一杯。
ケアマネージャーさんは、「車の運転に関しては、私たちも本当に気を使うんです。運転を取り上げてしまうことで、意欲を失ってしまう方もいらっしゃるので」と仰っていました。
歳をとれば、今までできていたことができなくなってショックを感じることもあるでしょうね。。
だから、なるべくたくさん「生きがい」があったほうがいいよね、と思いました。
遊ばなくちゃ!